期間工として働いていると、会社から年末調整の案内が届きます。
しかし、
「年末調整をしていれば確定申告は必要ないの?」
「年の途中から期間工になった場合はどうなる?」
と疑問に思う人もいるでしょう。
結論からいうと、会社で年末調整を受けており、期間工以外の収入がなければ、基本的に確定申告は必要ありません。
ただし、年の途中で退職した人や、前職の源泉徴収票を提出していない人、副業などで所得がある人は確定申告が必要になる可能性があります。
この記事では、期間工の確定申告と年末調整について、実際によくあるケースに分けて解説します。
期間工の多くは確定申告をする必要がない
期間工はメーカーに直接雇用される契約社員なので、毎月の給料から所得税が源泉徴収されます。
さらに、年末まで在籍している人は勤務先で年末調整を受けるため、基本的には自分で確定申告をする必要はありません。
📌 国税庁の説明
大部分の給与所得者は、年末調整によって所得税の納税が完了するとされています。
出典:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」
確定申告要不要早見表
| 期間工の状況 | 確定申告 |
|---|---|
| 年末まで在籍して年末調整を受けた | 原則不要 |
| 年の途中で入社し、前職の源泉徴収票を提出した | 原則不要 |
| 前職の源泉徴収票を提出していない | 必要になる可能性が高い |
| 年の途中で退職し、その年に再就職していない | 原則不要(ただし還付申告がおすすめ) |
| 副業などの所得が20万円を超えた | 原則必要 |
| 2か所以上から給料を受け取っている | 必要になる場合がある |
| 医療費控除などを受けたい | 確定申告が必要 |
入社祝い金や特別手当がいつの給料で支給されるのかは、トヨタ・アイシン・デンソー・SUBARUの4社で比較しています。
年末調整とは?
年末調整とは毎月の給料から天引きされた所得税と、本来納めるべき1年間の所得税との差額を精算する手続きのことです。
毎月天引きされている所得税は、あくまでも概算です。
そのため、年末に扶養家族や生命保険料などを含めて税金を計算し直し、払い過ぎていれば返金され、足りなければ追加で徴収されます。(国税庁「中途退職で年末調整を受けていないとき」)
💡 実際にやってみた感想
僕がトヨタやデンソーで働いていたときも、年末になると会社のサイトから扶養家族や保険料などを入力していました。
流れに沿って入力していけばそこまで難しくありません。
トヨタ自動車で実際に受け取った給料はこちらの記事で紹介しています。
年末調整で入力する主な内容
- 扶養している家族
- 配偶者の所得
- 生命保険料
- 地震保険料
- 自分で支払った社会保険料
- 住宅ローン控除(原則2年目以降)
- 前職の給与と源泉徴収税額
期間工が確定申告を必要とするケース
前職の源泉徴収票を提出していない
年の途中から期間工になった場合、前職の源泉徴収票を現在の勤務先に提出すれば、前職と期間工の給料を合算して年末調整してもらえます。(入社説明会の際に提出を求められることが多いです。)
源泉徴収票を提出できなければ、勤務先は前職の給与や税額を確認できないため、年末調整ができません。その場合は自分で確定申告をして税金を精算します。(国税庁「中途就職者の年末調整」)
💡 ポイント
期間工になる前に別の会社で働いていた人は、退職時に受け取った源泉徴収票を捨てずに保管しておきましょう。
年の途中で期間工を辞めて再就職していない
年の途中で期間工を辞め、その年の12月までに再就職しなかった場合、基本的に勤務先で年末調整を受けられません。
毎月の所得税は1年間働くことを前提とした概算で天引きされるため、途中で退職すると税金を払い過ぎている場合があります。
この場合、確定申告は「税金を追加で払うため」ではなく、払い過ぎた税金を返してもらうための還付申告になる可能性があります。
還付申告は原則として翌年から5年以内にできます。(国税庁「中途退職で年末調整を受けていないとき」)
期間工を退職してすぐに再就職しない場合は、確定申告だけでなく国民年金への切り替えも必要です。
保険料の支払いが難しいときに使える失業特例はこちらで解説しています。
副業などの所得が20万円を超えた
年末調整を受けている人でも、給与・退職所得以外の所得が年間20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。
期間工にありそうなのは、
- ブログやアフィリエイト
- YouTube
- フードデリバリー
- 仮想通貨、株式
- ネット販売
- 業務委託の仕事
など。
例えば、ブログの売上が30万円あっても、サーバー代や取材費などの必要経費が12万円なら、所得は18万円です。
会社で年末調整を受けており、ほかに副業所得がなければ、所得が20万円以下なので所得税の確定申告は原則必要ありません。
⚠️ 注意点
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は原則として必要です。
経費として計上した支出については、税務署や自治体から確認された場合に説明できるよう、領収書や利用明細を保管しておきましょう。
2か所以上の会社から給料を受け取っている
年末調整されなかった勤務先の給与収入と、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。
例えば、
- 期間工とアルバイトを掛け持ちしている
- 同じ年に複数の会社で働き、源泉徴収票を提出していない
といったケースが対象です。
確定申告をしないとどうなる?
申告義務があるのにしなかった場合
本来納めるべき所得税に加えて、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。
自主的に期限後申告した場合でも、現在の制度では原則として納付税額の5%に相当する無申告加算税がかかります。税務署から連絡を受けた後や調査後になると、負担がさらに大きくなる場合があります。(国税庁「確定申告を忘れたとき」)
⚠️ 気づいたら早めに
申告漏れに気づいた場合は、税務署から連絡が来るまで放置せず、できるだけ早く期限後申告をしましょう。
還付申告をしなかった場合
税金を払い過ぎていても、自動的に返ってくるとは限りません。
還付申告をしなかったからといって罰則があるわけではありませんが、本来返してもらえるお金を受け取れなくなります。
期間工が確定申告するときに必要なもの
- 期間工の源泉徴収票
- 同じ年に働いた前職の源泉徴収票
- マイナンバーカードや運転免許証などの身分証明書
- 還付金を受け取る銀行口座
- 副業の収入と必要経費が分かる資料
- 医療費や各種控除に関する資料
- 生命保険料などの控除証明書
現在は国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用し、スマホやパソコンからe-Taxで申告できます。(国税庁「スマホとマイナンバーカードでe-Tax」)
💡 やってみると意外と簡単
これだけ見ると難しそうに感じますが、実際は必要書類さえ揃っていれば意外と難しくありません。
極度のめんどくさがりの僕自身もそうでしたが、やってみると「あ、意外と簡単だったな」となると思います。
特に期間工で働くことを考えている皆さんに注意していただきたいのは
- 同じ年に働いた前職の源泉徴収票
- 生命保険料などの控除証明書
これらを捨てずに保管しておくことです。
まとめ
期間工として働いているだけで、確定申告が必要になるわけではありません。
年末まで勤務し、会社で年末調整を受けている人は、基本的に確定申告は不要です。
ただし、前職の源泉徴収票を提出していない人や、副業などの所得が20万円を超えた人は、確定申告が必要になる可能性があります。
また、年の途中で期間工を辞めて年末調整を受けていない人は、確定申告をすることで払い過ぎた所得税が戻ってくる場合があります。
自分が申告対象か分からない場合は、源泉徴収票を用意したうえで、税務署や国税庁の相談窓口に確認しましょう。
実際に期間工として働くと、税金や社会保険料がどれくらい引かれるのか気になる方は、デンソー期間工1年目の総支給額と手取り額も参考にしてください。
