期間工で働くことを検討する中で、大きな不安材料になるのが「夜勤」「交替勤務」ではないでしょうか。
ネットで夜勤について調べると、「交替勤務は体を壊すからやめとけ」「夜勤をすると寿命が縮む」といった不安になる意見も多く見つかります。
僕自身も、デンソーの期間工になるまで夜勤を経験したことがなかったため、本当に続けられるのか不安でした。
この記事では、デンソーとトヨタ自動車で交代勤務を経験した僕が、夜勤に慣れるまでにかかった期間や実際に働いて感じたことを紹介します。
さらに、夜勤や交代勤務が健康に与える影響について、厚生労働省の情報や国内外の研究結果も確認しました。「交代勤務は体を壊す」という意見は本当なのか、実体験と研究結果の両方から解説します。
この記事でわかること
- デンソーで初めて夜勤を経験したときの働き方
- 夜勤に慣れるまでにかかった期間と、2週目から変えたこと
- 夜勤・交替勤務が健康に与える影響についての研究結果
結論
一方、研究では、夜勤や交替勤務によって睡眠の問題や糖尿病、心血管疾患などのリスクが高まる可能性も示されています。
そのため、「交代勤務をすると必ず体を壊す」は言いすぎですが、特に長期間続ける場合は健康への影響に注意が必要です。
僕自身の経験
勤務時間について
僕が初めて夜勤を経験したのはデンソーで働いていた時で、一般的な2組2交替の勤務形態でした。
勤務時間は
これを1週間ごとに交代する働き方です。
一概に「夜勤」と言ってもメーカーや職場によって働く時間は大きく異なります。
実際トヨタ自動車でも2交替制ですが、夜勤に当たる勤務時間は16:00~00:40です。
期間工の代表的な勤務形態や、メーカーごとの勤務時間はこちらの記事で詳しく解説しています。
デンソーの夜勤は一般的にイメージされるような「真夜中に作業して朝方に帰る」という働き方でした。
夜勤初日から2時間残業
僕の場合は入社してすぐに夜勤があったわけではなく、最初の2ヶ月は常昼勤務でした。
研修というわけではないですが、同じ職場に4人で配属されたためどの組み合わせで昼勤と夜勤に分けるかという検討のための期間だったのだと思います。(それ以降に同じ職場に配属された人は始めから2交替勤務だったので、僕たちのケースが稀な対応だったのだと思います。)
そして入社3ヶ月目から夜勤が始まりましたが、初日から2時間の残業がありました。
時間で言うと
19:55~4:45 定時
です。
定時後に休憩が入るかは各職場単位で異なると思いますが、僕の所属していた職場は定時から15分の休憩の後残業時間が始まる形でした。(現在在籍しているトヨタ自動車では定時を過ぎるとそのまま残業扱いになっています。)
デンソーでの詳しい作業内容などに関しては下の記事でお話ししていますが、作業自体も負荷が高かった上に初日から2時間残業で朝7時退勤というのはかなりしんどかった覚えがあります。
完全に睡眠不足の症状で、気持ちが悪かったです。
デンソーで実際にきつかった作業内容や、僕が行っていた対処法はこちらの記事で紹介しています。
どのくらいで慣れた?
僕の場合は、気持ち悪くなるほどきつかったのは最初の週だけでした。
夜勤2週目からは問題なく働けていました。
1週目は夜勤の経験がなかったため、準備がうまくできていなかったのが大きな原因だと思います。
2週目からは反省を生かし、土日の過ごし方を改善するのと同時に栄養ドリンク等を準備していたのが精神的な安心材料になりました。
夜勤前の日曜日は昼寝を多めに取り、夜中はできるだけ起きているようにしていました。
「日曜日が潰れるのは嫌だな……」と思う方もいるかもしれません。ただ、昼間の予定を夜中に回して起きているようにするのは、非日常感を味わえて、個人的には結構好きでした(笑)。
「交替勤務は体を壊すからやめとけ」は本当?
少なくとも、僕がデンソーとトヨタ自動車で働いてきた中で、「夜勤で体を壊したから辞めた」という人の話を聞いたことはありません。
周囲には何年も交替勤務を続けている人も多く、現場では「夜勤をすると体を壊す」というほど深刻に捉えられている印象はありません。
ただし、これはあくまで僕が実際に働いた中で感じたことであり、すべての人に当てはまるわけではありません。
ということで、関連する研究結果について調べてみました。
研究結果から見る夜勤の影響
研究結果をまとめると、以下のようになります。
| 健康への影響 | 研究で分かっていること |
|---|---|
| 睡眠・メンタル | 交代勤務を始めた後に、睡眠状態とメンタルヘルスが悪化したとする研究があります。一方、短期的な身体面では明確な悪化が確認されませんでした。(2024年の系統的レビュー) |
| 心臓・血管の病気 | 夜勤経験者は日勤者より、心血管疾患の発症リスクが13%、心血管疾患による死亡リスクが27%高かったとするメタ分析があります。(2025年のメタ分析) |
| 糖尿病 | 交代勤務者は、日勤者より2型糖尿病の発症リスクが約10%高かったとするメタ分析があります。(PubMed掲載論文) |
| がん | WHOの国際がん研究機関は、夜勤を「おそらく発がん性がある」グループ2Aに分類しています。ただし、人を対象とした研究の証拠は限定的です。(IARC公式ページ) |
| 寿命・死亡率 | 夜勤経験者の死亡率が高いとする研究がある一方、明確な差が確認されなかった研究もあり、結果は一致していません。(死亡率に関するメタ分析) |
夜勤によって健康リスクが高まる可能性はある
厚生労働省の「睡眠と生活習慣病との深い関係」では、交代勤務者は不眠や眠気のほか、胃腸障害、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、発がん、死亡のリスクが高いと説明されています。
夜勤では、本来眠る時間に働き、日中に睡眠を取ることになります。そのため、体内時計が乱れやすく、睡眠不足や食生活の乱れにつながることが主な原因として考えられています。
2025年に発表された、約330万人を対象とする23件のコホート研究をまとめたメタ分析では、夜勤経験者は日勤者と比べて、心血管疾患の発症リスクが1.13倍、心血管疾患による死亡リスクが1.27倍という結果が出ています。
また、夜勤の経験が5年長くなるごとに、心血管疾患の発症リスクが約7%高くなる傾向も確認されています。
ただし、「発症リスクが13%高い」とは、夜勤をしている人の13%が病気になるという意味ではありません。
仮に日勤者の発症率が10%だった場合、それが約11.3%になるという相対的な差です。
「夜勤をすると必ず体を壊す」とまではいえない
夜勤や交代勤務による健康リスクを示す研究があるのは事実です。
しかし、すべての研究で同じ結果が出ているわけではありません。
例えば、57件の観察研究をまとめたがんリスクに関する系統的レビューでは、夜勤経験の有無と乳がん・前立腺がん・大腸がんなどの間に、全体として明確な関連は確認されませんでした。
また、交替勤務者の死亡率を調べた系統的レビューとメタ分析でも、日勤者と比べた全死亡リスクは1.04倍でしたが、統計的に明確な差とはいえない結果でした。
研究結果が一致しない理由として、以下のような点が考えられます。
- 固定夜勤や週替わりの2交替など、勤務形態が研究によって異なる
- 夜勤者と日勤者では、食事・喫煙・運動習慣なども異なる
- 仕事内容や残業時間による影響を完全には分けられない
- 数か月の夜勤と、何十年も続けた夜勤が同じように扱われることがある
- 夜勤が合わない人は早い段階で辞めている可能性がある
夜勤以外も含めて、期間工として働く前に知っておきたい注意点はこちらの記事でまとめています。
まとめ:夜勤は慣れるまで大変だが、必ず体を壊すわけではない
僕が初めて夜勤を経験したときは、睡眠不足で気持ち悪くなるほど大変でしたが、特にきつかったのは最初の1週間で、2週目からは問題なく働けるようになりました。
一方、研究では、夜勤や交代勤務によって一部の健康リスクが高まる可能性も示されています。
