車体メーカーと部品メーカー、期間工で働くならどっち?
― トヨタ・デンソー両方を経験して分かったこと
期間工を始めようと思った時に、どこのメーカーで働くべきかというのは必ずぶつかる問題ですよね。その中でも迷いやすいのが、「車体メーカー」にするか「部品メーカー」にするかというところだと思います。今回はそれぞれの最大手と言っても過言ではない、トヨタ自動車とデンソーで期間工を経験した僕が、皆さんの疑問を解決できるよう解説していきます。
車体メーカーと部品メーカーの違いは?
車体メーカー
例:トヨタ・日産・ホンダ・スバル など
車体メーカーでは主に完成車を組み立てるので、工程は大きく分けてプレス・溶接・塗装・組立・検査になります。
部品メーカー
例:デンソー・アイシン・ジヤトコ・豊田自動織機 など
部品メーカーでは主に、エンジン部品・トランスミッション・電子部品などを作るので、機械加工・鋳造・組付け・検査が中心になります。
ざっくり比較
| 車体メーカー | 部品メーカー | |
|---|---|---|
| 主な作業 | 組立ライン(取付の繰り返し) | 機械加工・組付け・検査 |
| 体力負担 | 大きめ(工程による) | 比較的軽め(鋳造等は除く) |
| 稼ぎやすさ | 日給・手当が高め | 残業が安定して多く、トータルで稼げることも |
| 安定性 | 生産変動の影響を受けやすい | 多品種で比較的安定の傾向 |
一般論として、車体メーカーはライン作業でタクトタイム(1台あたりの作業時間)が短く、繰り返し動作が多い。重量物や中腰・上向き姿勢もあり体力的にきつい工程もあります。部品メーカーは、完成車メーカーに比べると一般に作業がコンパクトで体への負担が軽めの工程が多く、女性も比較的多いと言われます。
こういった説明になるかと思いますが、これに関しては結局配属先次第です。多くの人は上記の内容に当てはまる工程に配属されるかとは思いますが、僕の場合は全くの逆でした。
デンソーでは鋳造工程に配属され、残業も多く体力的な負荷も割と高かったです。ですが現在働いているトヨタ自動車では、部品製造の工程に配属され、工場内で完成された車を見ることは一度もないほどで、作業自体の体力的な負荷もかなり小さいです。
ちなみにネットで調べてみても、部品メーカーの体力的負荷は比較的軽め(鋳造等は除く)と出てくるので、結構なハズレを引いたんだと思います(笑)
ただ逆に言うと、一般的に「期間工はキツイ」と思われている中で、作業負荷が高いと言われる工程でこれくらいなのかと思うところもあります。次のセクションでは、期間工の負荷は意外とそんなに高くないのでは?という観点で書いていこうと思います。
期間工の作業負荷は、意外と高くない?
最近の工場では、「1に安全、2に品質」という言葉を毎日のように耳にします。過去に起きた重大災害から学び、絶対に怪我人を出さないという意識で全員が働いています。階級の高い社員の人たちには監督責任があるので口酸っぱく言いますし、期間工でも「怪我したらまずい」という空気があります。
これは期間工からすると、「怪我をすると職場に迷惑をかけるから気をつけなければいけない」という感覚だと思います。どこかで怪我が発生すると他の職場にも共有されますし、自職場では次回以降同じ怪我を起こさないように、場合によっては作業を止めて、または残業して対策を考えます。
これが前の話にどう繋がるかというと、要は「怪我をするほど負荷の高い作業を毎日繰り返す工程が、今でもあると考える方が不自然だ」ということです。
もちろん僕も全ての工程を把握できているわけではありません。それは現場の社員も同じで、働いている本人しかわからないことです。ただ会社の中での空気や、安全・品質に対する姿勢を見ていると、「無理をするような工程はないだろう」と考える方が自然なんですよね。
これは品質に関しても言える話で、最大手のトヨタでさえも各工程、品質不良を起こさないように徹底的に対策をしています。体力的に無理をするような工程ではミスは必ず起きるので、「作業負荷を減らす」方向で常に対策を考えているのは間違いありません。
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給料・待遇について
少し話がそれましたが、車体メーカーと部品メーカーの比較に戻ります。まず満了金や入社祝金に関しては、一概にどちらの方がいいとは言えません。同じ車体メーカーで見ても待遇に違いがあるので、まず車体メーカーにするか部品メーカーにするかを決めて、その後で個別に比較検討することをお勧めします。
傾向として大きく変わってくるのは、残業時間から毎月の給料面です。意外に思われるかもしれませんが、実は部品メーカーの方が残業が多いことが一般的なんです。
完成車メーカーは生産台数に残業が連動するため、増産期はガッツリ稼げる一方、減産期はガクッと減るなど変動が大きいのが特徴。部品メーカーは複数の取引先を支える立場上、コンスタントに残業が発生しやすい傾向があります。
これにより、日給や手当だけ見ると部品メーカー(デンソー等)はトヨタよりやや低いものの、残業+満了金まで含めるとトヨタより稼げる可能性がある、という逆転が起きます。つまり――
「軽作業だけど残業多めでトータルしっかり稼げる」のが部品メーカー、「重労働だけど日給・手当が高い」のが完成車メーカー、という構図です。
ちなみにデンソーで1年、トヨタで現在までの2年間働いた僕の場合は、だいたい以下の通りでした。ただ、これは配属される職場によって大きく異なる部分ではあります。常に残業が多めな職場、常に少なめな職場、さまざまあると思うので、参考程度に見ていただけたらと思います。
僕の場合(実体験)
| 残業時間(月) | 給料(総支給) | |
|---|---|---|
| デンソー | 20〜35時間 (最も多い月で50時間) |
35〜40万円 |
| トヨタ | 0〜10時間 (最も多い月で15時間) |
28〜34万円 |
※ 配属先・時期によって大きく変わります。あくまで一例です。
長く働いて、より多く稼ぎたいなら、傾向としては部品メーカーの方が適していることが多い。
入社祝金の有無もメーカーによって異なるので、自分がどれくらいの期間働く予定なのかをある程度考えてから選ぶ方が、後悔のない選択につながるかと思います。短期でサクッと働くなら祝金の手厚いメーカー、長く腰を据えて稼ぐなら残業が安定して出やすい部品メーカー、といった具合に、自分のスタイルに合わせて選んでみてくださいね。
